惜別美女 -忍野さら-

芸能事務所ワンエイトプロモーションに所属しているグラビアアイドルの忍野さらさんが、2020年7月22日に発売した通算8作目のイメージビデオ「Message」をもちまして新作イメージ制作から離れる事を既に明言されています。

https://enet-dvd.com/2020067644/

今後は役者業を目標としつつ並行してグラビアの活動も行っていくとの事で、決してグラビア引退では無い芸能活動引退では無い点は留意すべき所ではあるのですが、本ブログがイメージビデオにまつわる話のみを扱っている以上ここで彼女について取り上げるのは今回が最後。「グラビアアイドル 忍野さら」のレビューです。

 

 

「忍野さら、ファイナルイメージ」

青天の霹靂であったアナウンス。私が初めてその文言を目にした時は咄嗟に効いてないよアピールをしたものですが、内心は決して穏やかなものでは無く、むしろバリバリ演れる内での早すぎる決断には率直に言って違和感を覚えました。

確かに思案の時期ではあるし写真集を2冊も出させて貰ってやり尽くした風に見えなくもないのですが、私としてはイメージ引退の事実以上に彼女の口から夢とか目標とか、次のステップとかいう言葉が発せられた事自体、全く想定し得なかったのです。

誰もが羨む才能と目に見えない努力、ひとさじ程度の運で掴んだポジションを道半ばでかなぐり捨てるとは。それも誰に指示されるでもなく「役者になる」という明確な意志で決めてしまうとは。

トップグラドルであり続けるのが安易でも容易でも無いのは重々承知はしているのですが、それにしたって今まで通りの平坦な道と行く先は藪の中の分岐に際し、よもや藪の中へと向かうだなんて。頭空っぽでヘラヘラしてる典型的グラドルな彼女に似つかわしくない決断としか思えなかった。

それはつまり私が彼女を今唯一の推しだとか言っていながら心の底では流される人だと決めつけ見くびっていたのです。彼女はあくまでグラドルであり誰かに道筋を付けられる存在であり、周囲の大人とファンの輪の中でニッコリニコニコバカやって、そこに留まり続ける事は彼女自身の願望なのだと思っていた。

だから辞めるにしたってあと4、5年はダラダラ続けて三十路前後にいい人見つけてだろう…だなんて根拠の無い妄想を半ば本気で信じこみ、遠くに行く事なんて無いと言い聞かせひとり勝手に安心していた。

しかし彼女はそうではなかった。私が思うよりずっと勇敢だった。自ら決断する意思を持っていた。傍から見るより遥かに賢明だった(いや頭は相当悪いんだけれども)。ほんの2か月前違和感を覚えていた私は、その内ひとつも気づく事ができていなかった。

 

 

 

あなたは「可愛らしい」人でした。

あなたの笑顔が画面に現れただけで、すぐに私の心は洗われました。本ブログを始めるまで私自身グラビアに気持ちが離れていたのもあり初めてまともに対峙したのが5作目の「Body’s」。こんな人懐っこい人がいるのか…と。

ただ見てくれがよろしいだけではない、天真爛漫な雰囲気をいっぱいに纏った「動画でこその忍野さら」はついぞファイナルイメージまで揺らぐことはありませんでした。

 

あなたは「美しい」人でした。

仕立て上げられたシチュエーションで艶やかに佇む姿に、ずっと魅せられていました。お酒がお供だった初期3部作、酒が回って…かどうかは兎も角媚態で獲物に食って掛かる様子に毎度こちらは酔いしれていました。

後期作になるとお酒の力を借りずとも気付けばフェロモンでいっぱいに。ヤンチャ娘の角が取れグラドルとして丸くなり、キレイなお姉さんとして花開く…。理想的な成長曲線は折り目正しくポーズを決める真摯な姿勢があったからに他なりません。

 

そして…、「強い」人でした。

常に第一の興味の対象であったあなたのヘアスタイル、臆せず変化を続ける度に驚きと逞しさを感じていました。ロングからボブへのイメチェンだけでも相当な決断なのに、男ウケ第一の業界では二の足踏みそうな長さにまで着手するとは…。

すっきり短いボーイッシュ、だけど可愛く見えてしまうマッシュショートに挑戦する等忍野史上最も挑戦的な作品である「Romance」、これこそショートボブグラドルの金字塔ではないか…とひとりコッソリ尊敬しています。

 

あなたのイメージ引退に際し居ても立っても居られず始めた過去作振り返る「忍野詣で」。8作全てを見届けた一か月間、一瞬たりとも退屈な時間などありませんでした。可愛らしい表情と変わりゆく瞬間と新鮮な驚きでずっとずっと胸がいっぱいに。

そんな中でもデビュー作から厳しくしつけられグラビアと向き合って、艶やかな姿を演じようとしていたのは大きな発見でありました。違和感を覚えてしまった役者業への進出も当初からインタビューで口にしていた小池栄子への憧れやドラマ出演が価値観に影響を及ぼしていたのをきちんと言葉を追ってさえいれば察する「ヒント」はあった訳で、曲がりなりにも肖像の評論めいた事をやっているのに推しすらまともに見ていなかったのかと2か月経った今はただ反省するばかりです。

 

 

 

…そして、これから、

役者への道を進む、忍野さら。

 

 

 

私がしがないグラビアオタクである以上彼女が大成する可能性を論じる事は出来ないし、ましてやアドバイスなんて思いつきもしませんが、真摯にグラビア演っていた5年間の作品を見た今、彼女ならば案外良い勝負をするのではないか…との淡い期待が浮かんでいます。

 

…しかし、

そんな私でも、気にかける事がひとつ。

あなたがこれから進もうとしている道がこれまで以上に険しい道のりだという事ぐらいは分かります。タレント・モデル・映画女優・舞台女優、各界選りすぐりの何十何百の猛者たちが、たったひとつの役を目掛けて一堂に会する。

…こんなハレの機会に黒歴史を持ち出すのは気が引けるのですが(でも言っちゃうもんね)、生涯唯一の汚点である例の騒動後のアノ顛末。今思い出してもやり口は酷いもんですが、それでもあれがひとりで抱えて誰にも相談せず自分で火消しをしようとした結果…って事くらいは察しています。

そんな不器用で変に生真面目なところがあるあなたが芸能界随一の競争社会に身を置いた時、果たして何事も無く居られるのかどうか。オーディションに残れない、いやそれ以上にあなたが見て美しく、才能があり、細やかな感情表現をすると思ったライバルでさえも蹴落とされ廃業を余儀なくされる、そんな事実を目の当たりにした時に、果たして今と変わらずに真っ直ぐ前を向く事が出来るのかどうか。

 

 

 

胸を張れ忍野さら!

これからは負けてもともと。

最後に笑えればいい。

気持ち切れても背中だけは丸めるな!

 

 

 

深呼吸しろ忍野さら!

あなたには頼もしい仲間が沢山居るはずだ。

相談しろ!

ひとりで決めるな!

甘えろ!

 

 

 

そして、もし、もしですよ?もし…

 

 

もしも、あなたが…

役者志望から花開き、女優として大成した時、

私はあなたに費やした計37777文字を、ひとつ残さず消し去ろうと思っています。

 

 

 

カメラの前で身体を張った「事実」は力になったとしても、あなたが何を着て・どんなポーズをして・どんな表情をしていたか、「事実」を記したものは必ずしも力にはならない、むしろ脚を引っ張る。私達はあなたが思うよりもっとずっと業の深い生き物です。

「事実」は語り継がなければこの世からは消えてゆく。あなたの中で残ってさえいればいい。だから私は語り継がない。およそ一か月間費やした記事を全て消したって構わない。

 

 

 

それが私にできる、あなたの背中を唯一押してやれる事だと思うから。

 

 

 

…え?

もし、駄目だったらどうするんだ、って?

 

 

 

大丈夫。

私達にはだって、「アレ」がついてる。

今までだってずっと、そうしてきたでしょう。

 

 

 

 

 

🍻✨

 

 

 

 

 

頑張れよ!

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